ダンベルだけのトレーニングを卒業してバーベルを使った種目もホームジムでガンガンやりたい!という場合に購入を考えるのがパワーラックだと思います。今までトレーニングしてきた中で色々なタイプのパワーラックを使う機会があったのでそれぞれのタイプを比較して私が感じた利点や欠点を紹介します。
基本形状
① ハーフタイプまずはこんなタイプ。この商品はスクワットラックと名付けられていますが、鍛錬はこんなタイプの形状でパワーラックとして売っていますね。

このタイプは私としては購入を避けたほうが良いのではないかと思います。
まず、スクワットをするとき身長にもよりますがラックアップした後に大きく下がらないと深くしゃがんだときにフレームとバーが当たってしまいます。パワーリフティング大会のアップ場でもこのタイプのラックでスクワットをしてバーとラックが当たってしまいバランスを崩している選手を見たことがあります。
そのときはまだ軽い重量だったので事なきを得ましたがギリギリの重量を担いでしゃがんでいく途中で ガツン となったら…。恐ろしいです。
ラックの上のほうにセットしないといけないような長身の人の場合、垂直なラックと比べて数十センチも余分に下がらないとならず、無駄にエネルギーを消費していまいます。
こちらは別メーカーのハーフタイプ。

このセーフティの短さは…。スクワットやベンチプレスで極限まで力を振り絞った状態でこの短~いラックの上に正確に潰れるのはかなり厳しいです。
この画像のラックほどではないにしてもハーフタイプのラックには「セーフティ短すぎっ」と感じる物が多いです。死にたくなかったらこのタイプは避けたほうが無難かと…。
逆に利点は…私には分からないです。
② 鳥カゴタイプもう1つはこんな形のタイプ。

筋太郎ジムで使っているのもこのタイプになります。
ハーフと比べた利点としては…
ラック部分のフレームが垂直なのでスクワットでラックアップした後、大きく下がらなくてもフレームとバーが接触することなくフルスクワットができます。
フレームに囲まれているのでスクワット中に後ろにバランスを崩した場合でもセーフティ上にバーが落ちてくれます。
このタイプの大抵のラックは前側上部のフレームはチンニングバーを兼ねていてトレーニングの幅が広がります。また、ディップスバーも付いたラックもあります。
欠点は…圧迫感がある?ことくらいですかね。
というわけで私としてはパワーラックの基本形状は鳥カゴタイプが断然おすすめです!!
ラック形状
① 突き挿しタイプラックの形はこのタイプが最も多数派かな?
コレは筋太郎ジムのラック、パワーテックPP-Rのラック高変更動画です。
このタイプはフレームに挿すだけのシンプルな形状なのでとにかく頑丈で高さ変更も簡単ですね。片側につき数秒で高さ変更が完了してしまいます。
ただ、ラックを挿す穴が大きいのでその間隔も広めの製品が多いです。筋太郎ジムで使用しているパワーテックで約6.5センチ、以前に使っていたボディメーカーEX-Vでは約8センチでした。
ラック高をシビアに合わせたい人には気になる点かもしれないです。
このタイプではセーフティバーが非常に長いので抜き挿しにスペースが必要です。抜き挿しの際にキーキーとかなり耳触りな音が鳴ってしまうのも欠点といえそうです。
実際にセーフティの抜き差しをしている動画です。かなりキーキー音がするので苦手な方は音量を抑えてください。
筋太郎ジム使用ラックの後継モデルパワーテックWBPR-11ではその欠点を解消する形状のセーフティとなっていてすんなりと高さ変更が完了してしまいます。
②ハンドルタイプ次はプラスチックのハンドルが付いているタイプ。このタイプで私が使ったことがあるのはボディソリッドのラックになります。
メーカーによっても違うと思いますが高さの変更は突き刺しタイプより少し時間がかかります。ボディソリッドのマシンでの変更はこんな感じ。
この動画は筋太郎ジムのラットマシンのパッド部分ですが、パワーラックも全く同じ構造のピンを使用していました。
このタイプのラック形状を持つパワーラックはラック調整用の穴が小さくて済むためか感覚が狭めで突き刺しタイプと比べて細かくラック高を調整できる傾向があります。ボディソリッドの場合で5センチでした。
セーフティはピンを引っ張りながら上下するだけなのですが2本のフレームが通っている構造なので慎重に真っ直ぐに上下させるようにしないとスムーズに動いてくれず、途中で突っ張って止まってしまうことがよくありました。

もう1つの欠点としては個人で大切に使うぶんには全く問題ないと思うのですが、シンプルこの上ない突き刺しタイプと比べると壊れる可能性は少し大きいです。
私がボディソリッドのラックを使っていた施設では設備の扱いが乱暴でダンベルを故意にブン投げてシャフトが折れるなんてことが日常的に起きていたところだったのですが、このパワーラックも度々ラック部分が壊れてしまって使えないことがありました。
故障の内容としては…固くしまったハンドルが緩まずプレートで叩く→ハンドルが割れる→工具で締めるようになる→締めつけトルク過剰でネジ山がナメる→修理→ピンが折れる(原因不明)といった感じで気合満々でジムに向ってもスクワットが出来ずにイライラさせられたことが何度かありました。
なのでラック形状は頑丈さ重視なら突き刺しタイプ。ラック高の細かさ重視ならハンドルタイプがオススメです。
耐荷重
当然ながら高価なラックの方が高重量に耐えられる傾向があります。安物だと150キロなんてものもあるので購入前に要チェックですね。
あと気になったのがパワーテックやタフスタッフといったアメリカメーカーのラックが以前と比べて大幅にカタログ上の耐荷重を落としていること。パワーテックは650キロから454キロに、タフスタッフは540キロから272キロに変わっています。
モデルチェンジはしていないのでマージンを多く見積もるように変更があったのかも。実際には旧表示くらいの重量を使っても問題ないとは思いますがタフスタッフの272キロというのは値段からすると寂しい数値になってしまいましたね。
フレーム幅
材料費を節約するためなのか、安いパワーラックは幅が狭い傾向があります。私が実際に使用したことのある安物ラックではボディメーカーのEX-Vがありますが、コレは幅が117センチでした。スクワットのワイドスタンス、ベンチプレスでのワイドグリップはリーチや股下にもよりますが、私の体格(身長 約180cm)だとフレームが邪魔して不可能でした。
現在使用しているパワーテックは幅が127センチでワイドスタンスでのスクワットも可能でベンチプレスでも81センチラインより少し外側も握ることができます。
幅の狭さに対してはこんなふうにブロック状のものを挟んで広げるという改造をしている方やジムもあるようです。筋太郎ジムではベンチ台を購入する前はボディーメーカのEX-V(旧モデル)を木のブロックで広げてベンチプレスをしていました。160キロ程度まで使用していましたが怖い思いをしたことはなかったです。できれば金属製のブロックを用意できるとより良いでしょうね。

土台フレームの形状
コレも材料費の節約のためなのか高価なラックと安めのラックで違いが見られますね。
こちらはパワーテックの土台フレーム

前にも後ろにも長く伸びています。バーベルをラックにガツンと戻しても倒れ難いので安心度がかなり高まります。
コレは安いラックによく見られる形状。

フレームの前後長さが短く、勢い良くバーベルをラックに戻すとフレームの長いラックと比べて倒れやすいので少し慎重になる必要があります。[
コチラはyoutubeで見つけたスクワット動画。タフスタッフの旧モデルを使っていますがフレームの張り出しが短いほうにバーを戻しているためラックがかなり傾いています。ちょっと怖いですね。
以上の点と手の届く価格(150000円以下)を考慮しながらパワーラックをピックアップすると…
パワーテックのWBPR-11。突き刺しタイプのラックでありながら従来より簡単に調整できるセーフティ。ラック高の調整幅も約65ミリとこのタイプとしては細かいです。他にも幅が広い、土台フレームが前後に長い、454キロと抜群の耐荷重と家庭用としてかなり完成度が高いのではないでしょうか?耐荷重180キロのディップスバーも付いてます。97650円。


細かいラック高調整が欲しいという方は…ボディソリッドGPR-82。耐荷重300キロで5センチ間隔のラック調整が魅力。幅も充分。でももう廃盤みたいです。在庫分しか入手不可。
次にある程度の欠点は目をつむってもお手頃価格をという方には…ボディメーカーのEX-V。3万円台の価格で耐荷重250キロは良いのでは?幅は狭め、フレームの前後張り出しは短めという点はパワーテックには劣ります。ラック高調整幅は約80ミリ。補強プレートが加わって旧モデルよりガッチリ感が増しているようです。
使い勝手は我慢するから頑丈さと安さでという方は…パワーラックV-MAX。幅は狭めで土台フレームも短いけど耐荷重350キロで5万円切りは魅力。しかし品質面でネガティブなレビューも結構あり。
これらをまとめるとこうなります。

以下は上でピックアップしなかったパワーラックについて私の意見です。
マーシャルワールドスーパーパワーラック…耐荷重200キロ。あと数千円で250キロのボディメーカーに手が届きます。
パワーラック455…ボディメーカーより8000円くらい安くて同じ耐荷重だけど品質面でネガティブなレビュー多し。補強板もなし。
ワイルドフィットパワーラックPRO…耐荷重150はちょっと…。
ボディソリッドGPR-78…70000円で耐荷重200は寂しい。
イサミ HG…V-MAXと似たスペックで20000円以上高い。
ボディメーカーSP2…良さそうだけどパワーテックより高い価値が見出せない。
KAWAI YKF-388…上と同じ。
ボディソリッドGPR-388…上と同じ。
以上、パワーラックの購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
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